前回のコラム「CAEで成果を出すポイント」で、CAEを運用する上で重要な好循環ループの話をしました。
好循環ループとは、下記5つの項目を意識しながら活動と改善を繰り返し、業務の効率化と成果を出すための取り組みです。
会社の理解 ⇒ 組織体制 ⇒ インフラ整備 ⇒ 運用 ⇒ 効果検証 ⇒会社の理解 ⇒ …
では、好循環ループを回すためにはどうすれば良いのでしょうか?
筆者は、下記3つのポイントを意識して取組む必要があるとと考えています。
1. 適切な組織体制のコミット
2. 継続的継続的な教育と情報の共有化
3. 費用対効果(ROI)の定量化
それぞれ深掘りしながら説明したいと思います。
1. 適切な組織体制のコミット
CAEを運用するためには、適切なチームを編成する必要があります。
チームのメンバーは、CAEを利用する上で必要な知識とCAEツールの操作を習得しながら技術構築に努めます。
そして、実務でCAEを利用しながら妥当性のある解析結果を出せるレベルを目指します。
CAEを社内の技術者に利用してもらうためには、社内のサポート体制が必須となります。
実業務で経験を積み解析技術やノウハウを蓄積することで、CAEの利用者をサポートできるレベルまで昇華させることができます。
もう一つ重要な取組みは、社内の技術者にCAEを利用してもらうためのソフトやハードのインフラを整備するということです。
CAEを活用するためには、社内の技術者が実業務でストレス無くCAEを利用できる環境を整備する必要があります。
そのためには、会社として予算と共に適切な組織編成をコミットすることが重要であると考えます。
2. 継続的継続的な教育と情報の共有化
CAEを活用するためには、利用者がCAEを使いこなすことが必要条件となります。
CAEを使いこなすためには、CAEツールの操作方法や材料力学などの工学的知識を習得する必要があります。
そのためには、利用者に対して教育やトレーニングを施す必要があります。
つまり、CAEを活用するためには利用者へ教育を施し、CAE使いこなしてもらうことが重要となります。
また、CAEを使いこなすうえで重要なことは、成功事例(失敗事例も)や利用者にとって役立つ情報を共有することです。
利用者が即座に欲しい情報が得られるよう常に情報を整理されることをお勧めします。
このように、社内教育と情報の共有化はセットで考え、実践と改善を繰り返しながら成果の最大化を目指すことが重要であると考えます。
3. 費用対効果(ROI)の定量化
読者の皆さんは費用対効果を定量化されたことはありますか?
CAEがCADと同様、既に必要不可欠なツールとしてインフラ化されている場合を除き、導入したツールやサービスの費用対効果を定量化することはとても重要です。
例えば、今年支払った費用に対して効果がどの程度あったのかが分からなければ、次年度にCAEを運用するために必要な諸費用(CAEソフト、PC等)がどの程度必要なのか分かりません。
「エイヤ」で費用対効果を記載するケースも少なくありませんが、会社に対してしっかりと説明できる分析データを持っておくべきだと思います。
費用対効果の算出方法は、各社の事情が異なるため「コレが正解」というものはありませんが、一般的な考え方については理解していただくことはできます。
以上のことから、CAE運用の好循環ループを回すためには、費用対効果を定量化することの重要性を理解いただけたかと思います。
