2020/10/17
CAE運用のステージは4段階あると考えています。
1. 導入初期
2. 技術構築期
3. 展開期
4. 定着期
4つのステージについて深掘りしながら説明したいと思います。
1. 導入初期
導入初期のテーマは、CAEツールの選定と導入、また解析の基礎知識と操作の習得です。
通常、数社のCAEベンダへ声をかけ、ベンチマークテスト(自社製品の簡易解析)を実施した上で、解析結果や対応の良いベンダから購入するというのが一般的かと思います。
最近はCAEツールの機能差は無くなってきていますので、知名度のあるCAEツールであれば問題ないと思います。
CAEツール導入後、技術セミナーを受講し、技術サポートを受けながら短期間で操作を習得する、また簡単な解析モデルで自社製品へ適用することができれば導入初期の目的は達成ということになります。
導入初期で重要なのはベンダのサポート対応力です。
このサポート対応力には技術と営業の2つあります。
技術サポートは当然重要ですが、実は営業サポートも(意外と)重要なのです。
営業が顧客の状況を確認しながら、技術スタッフを動かし技術支援することで、導入後の立ち上がりの速度は違ってきます。
結果として優秀な営業と否かでは導入後の運用面で大きな差が出ます。
更に言いますと、顧客の状況に応じて臨機応変に提案を重ね、時には自社製品ではなく他社製品を紹介できるのが優秀な営業だと筆者は考えています。
2. 技術構築期
技術構築期のテーマは、解析技術の確立です。
具体的には、解析モデルの構築、実験との相関、解析ノウハウの蓄積となります。
CAEツールを導入後、試行錯誤しながら解析業務を重ねることで、技術サポートの協力を得ながら次第に自力で自社製品の解析を行えるようになります。
また、解析業務と並行して、解析結果の妥当性を評価するために実験との相関を見ながら解析モデルを修正し、適切なモデルを作成できるようになります。
この作業を継続することで、材料物性の取り扱いや解析と実験との相関性を理解し、他の解析モデルへ適用することができます。
その結果として、自社の解析ノウハウとして蓄積することができます。
中期ステージで重要なことは、如何に早く解析技術を確立するかです。
時間をかければ徐々に進めることができますが、会社からはできるだけ早く結果(成果)を求められます。
そこで、できるだけ早く解析技術を確立するために、外部リソースの活用をお勧めしています。
解析モデルの作成や実験との相関など、経験豊富な解析サービス会社に依頼することで、早期に必要なデータの入手とノウハウを習得することができます。
その結果として、短期間で質の高い解析技術の構築を可能にします。
Category: CAEの活用を考える