2020/09/07
今回は、フロントローディングについてお話しします。
設計変更が後工程になればなるほど、対策コスト(工数、時間)が増加します。
そこで、設計の初期段階で、設計の方向性と仕様を判断できるプロセスが必要となります。
この設計プロセスが、フロントローディングの考え方です。
フロントローディングとは、製品製造に関わる部門が情報を共有しながら、効率的に製品設計を進めていく手法です。
結果として、開発期間の短縮や品質の向上などの効果が期待できます。
要は、設計業務のピークを前倒しすることです。
そのためには、即座に何度もDR(デザインレビュー)できるCAEの活用が有効です。
設計業務のピークを前倒し、即座に何度もDR(デザインレビュー)できるCAEは有効なツールですが、使い方によっては弊害となってしまう場合もあります。
CAEを利用する上で重要なことは、定性と定量のどちらで評価するかを決めておく必要があります。
構想設計では、複数の設計案から最良の形状や条件を早期に導き出すことが目的ですので、解析精度に拘る必要はありません。
A案、B案、C案のどの案が一番適切かが分かれば良いのです。
仮に、構想設計で解析精度に拘ってしまうと、解析結果のフィードバックに時間がかかり、結果的にDRの回数が減少してしまいます。
もう一度言いますが、フロントローディングとは、設計業務のピークを前倒しすることです。
そのためには、設計の上流である構想設計では定性評価を目的としたCAEの利用をお勧めします。
Category: CAEの活用を考える