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2020/11/19

CAE運用の4つのステージ(2/2)

CAE運用のステージは4段階あると考えています。

1. 導入初期
2. 技術構築期
3. 展開期
4. 定着期

4つのステージについて深掘りしながら説明したいと思います。

3. 展開期

展開期のテーマは、社内展開と運用です。

具体的には、下記3つの取組みが必要となります。

1. インフラ整備
利用者がストレスなく使えるハードとソフトを整える

2. 社内教育
利用者が解析業務に必要な知識とスキルが得られる仕組みをつくる

3. 解析業務の分業
解析業務を設計者と専任者とで分業するために運用ルールをつくる

上記3つの取組みを通じて、徐々にCAEツールの利用者を増やし成果の拡大を図ることができます。

また、継続的に取り組むことで、解析技術の構築と解析ノウハウの蓄積に繋がります。

展開期ステージで重要なことは、如何にCAEツールの有効性を利用者に理解してもらうかです。

そのために、できるだけ多くの情報や資料(解析事例、利用説明書、ヒント集など)をイントラネットを通じて利用者や社内関係者と共有することをお勧めしています。

利用者が増えなければCAEツールの稼働率が下がり、結果として費用対効果が低下し成果の拡大が見込めません。

そうならないためにも、できればプロジェクトチームが主導し、しっかりと事前準備した上でスケジュール通りに根気強く推進することが重要です。

4. 定着期

定着期のテーマは、フロントローディングです。

フロントローディングと言うと敷居が高いと思われるかもしれませんが、下記3つの取組みを通じてフロントローディングの実現が見えてきます。

1. データの管理と共有
社内にある膨大なデータを整理し誰でも即座に共有できる仕組みをつくる

2. 解析業務の効率化
定型化解析の自動化や解析モデルの再利用など解析業務を軽減する仕組みをつくる

3. 効果の定量化
解析業務に必要な費用と成果を算出し費用対効果を可視化する

展開期で重要なことは、社内へ定着させるためには業務の効率化を進めると共にCAEの効果を定量化することです。

CAEツールをストレスなく利用できる環境を整えることで、利用者の増加と共に成果の拡大が見込めます。

また、設計の初期段階でCAEツールを利用することで、即座に何度もDR(デザインレビュー)ができるため、結果的に手戻りの低減に繋がります。

フロントローディングとは、設計業務のピークを前倒しにすることで、開発期間の短縮や品質の向上などの効果を最大化することです。

闇雲にフロントローディングを目指すのではなく、定着期の成果としてフロントローディングの実現があると捉えてはいかがでしょうか。